2020年6月12日の第二次補正予算の成立により、雇用調整助成金の特例措置がさらに拡充されました。
これにより、緊急対応期間が9月30日まで延長され、助成額の上限が1日15,000円に引き上げられました。
ここでは、雇用調整助成金の特例措置の拡充内容について解説します。
雇用調整助成金(特例措置)の更なる拡充
新型コロナウイルス感染症の影響により、業績が悪化したなどの理由で事業主が従業員を休ませている場合において、支払った休業手当の一部を助成する雇用調整助成金の特例措置が実施されています。
この雇用調整助成金の特例措置について、第二次補正予算の成立により、さらに助成額などの拡充が行われました。
【2020年5月22日時点】 【2020年6月12日時点】
今回の制度拡充では、次のような項目が変更されました。
①緊急対応期間の延長
緊急対応期間の終了が、2020年6月30日から3か月間延長され、2020年9月30日までとなりました。
②助成額の上限引き上げ
1人あたりの日額の助成額が、これまでの上限8,330円から15,000円に引き上げられました。
③中小企業の助成率の拡充
解雇等をせずに雇用を維持している中小企業の休業及び教育訓練に対する助成率が、9/10(一定の要件を満たす場合は10/10など)から一律10/10に引き上げられました。
④制度拡充の遡及適用
今回の制度拡充は、2020年4月1日に遡って適用されることになりました。
なお、既に申請済みの方は追加手続きの必要はなく、追加支給分が後日支給されることになります。
ただし、既に申請済みの方が過去の休業手当を見直し(増額し)、従業員に対して追加で休業手当の増額分を支給した場合には、増額分についての追加支給のための手続が必要となります。
また、雇用保険に加入していないアルバイトなどを対象とした「緊急雇用安定助成金」も拡充の対象となります。
申請手続きは無料相談会や助成金を活用
雇用調整助成金の申請は、提出書類が多いため手続きに不慣れな方は専門家の助けを借りることをおすすめします。
最寄りの自治体や商工会議所で、社会保険労務士による無料相談会が開催されていたり、自治体によっては社会保険労務士の報酬に関する補助制度があるため、上手く活用するといいでしょう。
ここでは、愛知県内で行われている無料相談や補助金制度を紹介しておきます。
◆無料相談
- 【名古屋商工会議所】社会保険労務士による無料相談会を開催
- 【愛知労働局】社会保険労務士による無料相談会を開催
- 【瀬戸市】社会保険労務士による相談窓口の開設
- 【豊田市】社会保険労務士の無料相談による申請書類作成支援
◆補助制度
- 【大府市】雇用調整助成金の申請書類作成費用の補助
- 【豊橋市】雇用調整助成金の申請書類作成費用の補助
- 【安城市】雇用調整助成金の申請書類作成費用の補助
最寄りの自治体で利用できるサービスがないか、まずは自治体のホームページを確認してみてください。
雇用調整助成金の特例措置の拡充内容についてまとめてみました。
今回の拡充により、助成額が大幅に拡大され、特例措置の適用期間も延長されたため、事業者にとっては従業員の雇用の維持に役立ちます。
従業員に対して十分な休業手当を支給できていなかった事業者は、休業手当の増額を検討してみてはどうでしょうか。
編集後記
昨日は、法人の決算業務を中心に。あとはネットで調べものをしながら資料作成をしていました。