持続化給付金

【持続化給付金】個人事業主の申請要件・計算方法・提出書類

2020年5月1日から「持続化給付金」の申請受付が始まりました。

給付要件を満たせば、個人事業主は最大100万円、法人は最大200万円の給付を受けられます。

ここでは、個人事業主に限定して、申請要件・計算方法・提出書類について解説します。

 

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持続化給付金

「持続化給付金」とは、新型コロナウイルス感染症の拡大により、営業自粛等により特に大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を支えるために、国が給付金を支給する制度です。

この持続化給付金は、個人事業主が最大で100万円、法人が最大で200万円の給付を受けられることになっています。

 

個人事業主の場合は、以下の要件に該当する事業者が給付対象者になります。

  • 2019年以前から事業により事業収入(売上)を得ており、今後も事業継続する意思がある
  • 2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月 (対象月)がある

 

ただし、以下のいずれかに該当する場合は、給付対象外となります。

  1. 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に規定する「性風俗関連特殊営業」、当該営業に係る「接客業務受託営業」を行う事業者
  2. 宗教上の組織若しくは団体
  3. 1、2に掲げる者のほか、給付金の趣旨・目的に照らして適当でないと中小企業庁長官が判断する者

 

それでは、2019年以前から事業を行っていた個人事業主について、申請要件・計算方法・提出書類を確認していきましょう。

 

要件判定・計算方法

個人事業主の場合は、青色申告と白色申告で、申請要件の判定方法や給付額の計算方法が異なるため、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

青色申告

次の具体例で、給付金の要件判定と計算方法を確認してみましょう。

  • 2019年の年間事業収入:300万円
  • 2019年4月の月間事業収入:30万円
  • 2020年4月の月間事業収入:13万円

売上要件

 

【判定】

2019年4月の月間事業収入が30万円、 2020年4月の月間事業収入が13万円であり、前年同月比で50%以上減少しているため給付対象となります。

 

【給付額】

前年の事業収入ー(前年同月比▲50%月の売上×12か月)

300万円ー(13万円×12か月)=144万円>100万円(上限額)

したがって、給付額は支給上限額の100万円になります。

 

ただし、青色申告であっても、以下に該当するときは、白色申告と同じように要件判定と給付額計算を行うことになります。

  • 所得税青色申告 決算書を 提出しない者(任意)
  • 所得税青色申告決算書に月間事業収入の記載がない者
  • 相当の事由により当該書類を提出できない者

 

白色申告

次の具体例で、給付金の要件判定と計算方法を確認してみましょう。

  • 2019年の年間事業収入:300万円
  • 2020年4月の月間事業収入:10万円

売上要件

 

【判定】

白色申告の場合は、2019年の年間事業収入から月平均の事業収入を算出して、この金額と対象月の事業収入との比較により判定をします。

2019年の月平均の事業収入が25万円(300万円÷12か月)、 2020年4月の月間事業収入が10万円であり、前年同月比で50%以上減少しているため給付対象となります。

 

【給付額】

300万円ー(10万円×12か月)=180万円>100万円(上限額)

したがって、給付額は支給上限額の100万円になります。

 

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提出書類

個人事業主が持続化給付金の申請をするのに必要となる書類は、以下のものになります。

  • 2019年分の確定申告書類
  • 2020年分の対象月の売上台帳等
  • 通帳の写し
  • 本人確認書の写し
  • その他事務局等が必要と認める書類

 

2019年分の確定申告書類

2019年分の確定申告書類については、青色申告と白色申告では、提出する書類が異なります。

なお、確定申告書第一表の控えには、収受日付印が押印(受付日時が印字)されていることが要件になっています。

青色申告

  • 確定申告書第一表の控え(1枚)
  • 所得税青色申告決算書の控え(2枚)

確定申告書

 

白色申告

  • 確定申告書第一表の控え(1枚)

確定申告書

 

2020年分の対象月の売上台帳等

対象月の事業収入額がわかる売上台帳等については、フォーマットの指定はなく、経理ソフト等から抽出したデータ、エクセルデータ、手書きの売上帳などを提出します。

ただし、提出するデータが対象月の事業収入であることを確認できるよう、「2020年〇月」と明確に記載されている必要があります。

また、対象月の売上がゼロであったとしても、売上台帳等の提出が必須となっているため、「2020年〇月の売上0」といった資料を作成しておきましょう。

売上データ

 

通帳の写し

給付金の振込先口座として、銀行名・支店番号・支店名・口座種別・口座番号・名義人が確認できるよう、通帳の表面と1・2ページ目をスキャン又は撮影します。

振込先口座

 

電子通帳などで、紙媒体の通帳がない場合は、電子通帳等の画面等の画像を提出します。

振込先口座

 

本人確認書の写し

本人確認書類は、住所・氏名・顔写真がはっきりと判別できるよう、以下のいずれかの写しを提出します。(※申請を行う月において有効なもので、記載された住所が申請時に登録する住所と同一のものに限る)

 

1.運転免許証(両面)(運転経歴証明書で代替可能)

2.個人番号カード(表面のみ)

3.写真付きの住民基本台帳カード(表面のみ)

4.在留カード、特別永住者証明書、外国人登録証明書(特別永住者のものに限る) (両面)

本人確認書類

 

なお、1から4を保有していない場合は、以下のもので代替することができます。

5.住民票の写し及びパスポートの両方(顔写真の掲載されているページ)

6.住民票の写し及び各種健康保険証の両方(各種健康保険証は両面)

本人確認書類

 

その他事務局等が必要と認める書類

2019年分の確定申告書に収受日付印が押印されていない、又は受付日付が印字されていない場合は、電子申告の受信通知を添付する必要があります。

受信通知書

 

収受日付印、又は受信通知のいずれも存在しない場合は、納税証明書を添付する必要があります。

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個人事業主が、持続化給付金の申請をする場合の申請要件・計算方法・提出書類についてまとめてみました。

持続化給付金の申請における注意点は、給付申請が一度しかできないことです。

したがって、給付要件に該当し、給付額が最大となる月を対象月として申請をしましょう。

申請期間は、2020年5月1日から2021年1月15日までと余裕があるため、対象月の判定を慎重に行うことです。

 

持続化給付金の申請要件に該当し、提出書類の準備ができたら、こちらから申請手続きができます。

そして、申請資料に不備がなければ、通常2週間程度で給付金が振込先口座に入金されます。

新型コロナウイルス感染症の影響を乗り切るために、持続化給付金の申請手続きをして事業資金に少しでも余裕を持たせておきましょう。

 

編集後記

ゴールデンウィーク中は、ほとんど自宅にこもって顧問先の持続化給付金や雇用調整助成金の申請に向けた資料作成をしていました。

 

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