税理士試験の中でも、相続税法は他の科目をすでに合格している受験生が多いため、受験生のレベルが高いといわれています。
そんなレベルの高い競争の中で合格を勝ち取るには、理論暗記の精度は高いものが求められます。
相続税の理論暗記は精度にこだわろう
相続税法の理論は、他の科目にくらべて規定をそのまま書く、「ベタ書き」問題が多く出題されます。
法人税法なんかは、事例形式の出題に対して自分なりの言葉で解答する問題が増えていますが、相続税法だけはいまだに「ベタ書き」問題が主流です。
いまどきベタ書きで合否が問われる試験ってどうなの?という思いはありますが、これが試験というものなので受け入れるしかありません。
そして、ベタ書き問題で試験の合否がわかれるのは、個別理論の精度の高さです。
どの程度の精度の高さが求められるかというと、理論サブノートの個別問題をすべて丸暗記するレベルです。
条文内にでてくるカッコ書きや用語の意義も重要なので、細かい部分も含めてすべて暗記です。
それともうひとつ大切なのが、応用理論への対策として個別理論同士の横のつながりを理解することです。
いろんな角度から応用理論が問われるため、問題の趣旨を理解し、個別理論のなかから的確に解答範囲を導きだす判断力が求められます。
そのためには応用理論の柱上げ練習をし、その柱上げが優先順位の高い順に並んでいるかの確認を繰り返すことです。
やるべきことをまとめると、個別理論の丸暗記と横のつながりの理解です。
個別理論はひたすら暗記を繰り返して、応用理論は柱上げの練習をしましょう。
改正論点の理論は絶対押さえるべき
ここ最近の相続税法の理論問題の傾向として、改正論点が多く出題されています。
改正があった年か、その翌年には出題されることが多いため、改正論点の暗記は最優先で取り組むべきです。
しかし、改正論点のテキストが配布される時期が5月以降になるため、どうしても答練などのアプトプット練習に時間が取られて、新たな論点のインプットが疎かになりがちです。
特に、改正論点が多いときは「えっ?いまからこんなに暗記するの?」と思うほど、理論暗記が追加される場合があります。
でもその条件は受験生全員が同じなので、そのときにどれだけ気持ちを切り替えてインプットに集中できるかで差がつきます。
昨年の税理士試験にも改正論点がガッツリ出題され、わたしは用語の意義を含めて改正論点を押さえていたため合格することができました。
暗記の精度は書いて確認するしかない
わたしは、理論の暗記方法はどんな方法でもいいと思っています。
見て覚える、書いて覚える、聴いて覚えるなどの方法がありますが、自分に合っていればどの方法でもかまいません。
どんな方法で暗記をしようが、最終的に理論サブノートの個別理論を丸暗記できればいいわけです。
暗記のレベルとしては「ある程度書けそうだ」では合格は難しいです。
「ある程度書けそうだ」というレベルだと、実際手で書いてみると細かいミスをしてしまいます。
ミニテストや答練でミスしたところを理論サブノートにマーカーでチェックするなどして、間違いやすい部分を繰り返し覚えなおすことです。
応用理論の場合には、カッコを付ける場所が変わったり、カッコ内の文章が変わることがあったりと個別理論と異なることがあるので、細かい部分にこだわって暗記の精度をあげるべきです。
最後は、どこまで一字一句にこだわって暗記ができるかの勝負になるので、「正確に書ける」レベルに到達るまで頑張るだけです。
理論は計算と違ってケアレスミスは起こりにくく、暗記の努力が点数に結びつきやすいので、本試験前の追い込みは理論に力を入れて取り組むべきだと思います。
編集後記
確定申告の業務が落ち着いたので、事務所の電話があまり鳴らなくなりました。事務所内のバタバタ感も落ち着いて、これで平常業務に戻れそうです。