税理士資格を取得するには、税理士試験に5科目合格しなければなりません。
そして、5科目合格するには平均8年かかると言われているため、いまでは大学院の「科目免除」を併用するのが、資格所得のメインルートになっています。
科目免除を併用するなら準備は早い方がいい
昨年、税理士試験が終わった直後に、大学院の準備に向けて2校の説明会に参加しました。
税理士試験の自己採点ではボーダーは超えていましたが、合格確実ラインには達していませんでした。
ですから、もし不合格だった場合は大学院への入学を考えていました。
そして、説明会に参加して分かったことは、想像してたより入学試験が大変だということです。
まず、驚いたのが準備期間の短さで、説明会から入学願書の受付締め切りまでが2週間ほどでした。
さらに、願書と一緒に提出しなければいけない「研究計画書」が、やっかいだと分かりました。
「研究計画書」とは、大学院で取り組みたい研究をまとめたもので、入試の合否に大きく影響を与える書類です。
この研究計画書を書き上げるには、参考文献や判例集などを数冊読む必要があり、とうてい2週間では完成しません。
また、願書の締め切りから2~3週間後に入学試験が行われ、大学院によっては論文が実施されることもあります。
論文については、説明会で過去3年分くらいの問題が配布されるため、問題の傾向は知ることはできます。
しかし、説明会から入学試験までは1か月程度のため、すぐに願書と研究計画書を仕上げて、論文対策をするのは正直言ってムリです。
結局、秋入試(9、10月)への出願は諦め、年明けの冬入試(1、2月)に向けて準備をすることに決めました。
研究計画書の作成には時間がかかる
冬入試の準備をするにあたって取り組んだのが「研究計画書」の作成です。
研究計画書の作成において重要なのは研究テーマを決めることです。
テーマを決めるには、まず研究したい税法を選び、その税法に関する判例や論文から興味のある論点を探します。
そして、テーマが決まったら参考文献となる本を探すのですが、ここで利用したのが図書館でした。
図書館内の本はネットで検索できますが、借りたい本が貸出し中のことが多く、参考文献を集めるのに時間がかかりました。
願書の提出期限が近づくと、研究計画書のために本を借りる人が増えるので、余裕をもって参考文献は集めた方がいいでしょう。
参考文献が手元に揃えば、あとは研究計画書を書き上げていくだけです。
大学院によって指定の文字数や用紙形式が異なるため、事前に大学院のHPで確認するか事務局への問い合わせが必要です。
それと、書き方の参考となる本を1冊くらい手に入れてくと文章構成の参考になります。
わたしは、ここまでの作業に約2ヶ月かかりました。
それなりに時間がかかるので余裕をもって準備をした方がいいでしょう。
資格所得は短期で終えた方がいい
わたしは、39歳から税理士試験の受験を始め、11年かけてやっと官報合格しました。
税理士という仕事を通して人の役に立ちたいという目標があったので、受験をやめようとは一切思いませんでした。
でも、何回も不合格通知を受け取るたびに、この試験との戦いは何年続くのだろうと不安な気持ちになりました。
いくら専門学校でいい成績を取っていても、本試験の一発勝負で実力を出し切れなければ合格を手に入れることはできません。
本試験で実力が発揮できないのは、そこまでの実力が備わっていなかったとも言えますが、ひとつふたつのミスだけで1年をムダにするのは本当にもったいないです。
いま税理士試験にチャレンジしている方も、これからチャレンジを始める方も、科目免除の併用を検討してみてはどうでしょうか?
わたしがもう一度税理士試験にチャレンジするなら、必ず科目免除を併用して最短で合格を勝ち取るルートを選択します。
いままで大学院の科目免除について詳しく知らなかった方は、説明会に参加して話を聞いてみたらどうでしょうか。
編集後記
確定申告の業務が終わり退職にむけて業務の引継ぎがはじまりました。退職まで残り3ヶ月ですが、お客様に迷惑がかからないようしっかり引継ぎをしなければ。