確定申告の電話相談には、住宅ローン控除に関する問い合わせが多くあります。
特に、確定申告の添付書類についての質問が多く、どんな書類を準備していいか悩むようです。
ここでは、住宅ローン控除を受けるための必要書類について解説します。
住宅ローン控除
住宅ローン控除とは、正式には「住宅借入金等特別控除」という名称の税額控除です。
住宅ローンを利用してマイホームを取得等したときに、10年間にわたり毎年末の住宅ローン残高に応じて所得税が控除される制度です。
さらに、消費税率10%が適用される住宅の取得等をして、2019年10月1日から2020年12月31日までの間に入居したときは、控除期間が3年間延長されることになりました。
住宅ローン控除を受けるには、マイホームを取得した翌年に確定申告をすることになります。
しかし、会社員にとっては、確定申告は馴染みがないため、住宅ローン控除の申告で戸惑う方が多いようです。
特に、確定申告に必要な書類についての相談が多いため、準備すべき書類をまとめてみます。
添付書類一覧
確定申告で住宅ローン控除を受けるために必要な書類は、次の通りとなります。
必ず準備する書類
必要書類 | 入手先 |
確定申告書 | 税務署 |
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | 税務署 |
売買契約書又は請負契約書(写し) | 不動産会社又は建築会社 |
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(原本) | 金融機関 |
家屋・敷地の登記事項証明書(原本) | 法務局 |
源泉徴収票(確定申告書には添付不要) | 勤務先 |
マイナンバーカード又は通知カード+本人確認書類(写し) | 納税者 |
登記事項証明書については、建物のみの購入であれば、家屋の登記事項証明書だけで大丈夫です。
また、分譲マンションを購入したときに、家屋の登記事項証明書に敷地権が表示されているときは、敷地の登記事項証明書は必要ありません。
なお、登記事項証明書は、法務局HPの「かんたん証明書請求」を利用すると、自宅から簡単に取得することができます。
「かんたん証明書請求」による登記事項証明書の取得は、こちらで詳しく書いています。
土地や建物の登記事項証明書を取得するのに、いままで法務局まで出向いていました。しかし、オンラインで登記事項証明書を請求できるサービスがあったので、法務局まで出向く時間を節約するために利用してみました。ここでは、「かんたん証明書請求」[…]
必要に応じて準備する書類
必要書類 | 入手先 |
住宅取得等資金の贈与の特例を受けた額を明らかにする書類(写し) (贈与契約書、通帳のコピー、贈与税の申告書など) | 納税者又は贈与者 |
国等から交付を受ける補助金等の額を明らかにする書類(原本) | 国等 |
(認定長期優良住宅の場合) ・長期優良住宅建築等計画の認定通知書(写し) ・住宅用家屋証明書(写し)又は認定長期優良住宅建築証明書(原本) | 市区町村 建築会社 |
(認定低炭素住宅の場合) ・低炭素建築物新築等計画認定通知書(写し) ・住宅用家屋証明書(写し)又は認定低炭素住宅建築証明書(原本) | 市区町村 建築会社 |
(低炭素建築物とみなされる場合) 特定建築物用の住宅用家屋証明書(原本) | 市区町村 |
住宅取得等資金の贈与の特例の適用を受けたときに、家屋の取得価額等から贈与を受けた金額を控除せずに申告をしている間違いが多くあると、国税庁から発表されています。
この特例の適用を受けるときは、申告書に記載する金額に誤りがないかを確認するようにしましょう。
住宅ローン控除を受けるときの必要書類について、まとめてみました。
提出書類に不備があると税務署からお尋ねが来ることがあるため、申告時には必要書類に漏れがないかをしっかりチェックをしましょう。
なお、住宅ローン控除を受けるために会社員が確定申告をするのは、1年目だけです。
2年目以降は、勤務先で年末調整をすれば、住宅ローン控除を受けることができます。
編集後記
昨日は、法人の月次処理と確定申告を中心に。あとはセミナーの資料作成をしていました。