トヨタ社長の「終身雇用守るの難しい」という発言が話題になっています。
この発言は、就活生の企業選びに何かしらの影響を及ぼしそうです。
就活生に対するメッセージ?
今回のトヨタ社長の発言は、就活生に対するメッセージなのでしょうか?
6月から就職活動における選考が解禁になるため、その前のタイミングで発言をしたように思えてしまいます。
すでに社会に出て働いている人からすれば、終身雇用制度が続かなくなるのはわかりきったことです。
トヨタ社長の発言は、これから社会に出ようという学生に対する「日本型雇用制度の変化を理解してほしい」というメッセージではないでしょうか。
先月、経団連の中西会長が「経済界は終身雇用なんてもう守れないと思っているんです」と発言したのを、日本のトップ企業であるトヨタの社長が念押しして、インパクトを持たせたかったように思えます。
もともと中西会長の発言は、企業側が新卒一括採用を見直して、新卒通年採用の拡大に取り組むという説明の中で出たものなので、トヨタ社長も企業側の新卒採用の見直しを意識して発言しているのでしょう。
就活生の企業選びに影響か
就職サイトの運営会社の調査によると、4月末時点ですでに40%くらいの学生が内々定を獲得しているみたいです。
このペースでいくと6月の選考解禁日までには内々定率は50%を超えるでしょう。
例年なら、6月以降に正式に内定をもらって就職活動を終える学生が多いですが、今回のトヨタ社長の発言を聞いて、内定をもらいながら就職活動を継続する学生が増える気がします。
学生の企業選びの条件として「安定している」という項目が上位にきていて、いまだに定年まで働くことを考えて企業選びをしている学生が多くいます。
企業側から「終身雇用守るの難しい」という発言があれば、学生側も企業を選ぶ条件が変わってくるはずです。
これからは、「安定している」から「自分の成長やスキルアップ」といった条件を優先する学生が増え、「副業OK」という条件もいままで以上に注目されるでしょう。
企業側も終身雇用が維持できないなら、早くに副業を解禁して、社員が働き方を選択できる環境を提供すべきだと思います。
学生のうちから複業を考える
先日、大学に入学したばかりの甥っ子と会ったら、「新卒通年採用に変わると就職活動が不安だ」と話していました。
いままでのような横並びの就職活動ではなくなると、いつから就職活動を始めたらいいのかわからないので、不安な気持ちになるのはわかります。
これから通年採用が本格的に始まれば、大学1、2年生を対象にしたインターンシップが増えます。
ですから、まずはインターンシップなどに参加して、業界や企業の研究から始めるといいでしょう。
それと、これからはひとつの会社で長く働き続けるという働き方は変わります。
できれば、学生のうちから複業の準備をしておくといいでしょう。
企業という組織に依存するのではなく、自らが主体的に働き方を創造できる力をつけておくことも大切です。
早くから就職活動を意識すれば、それだけ自分の生き方や働き方について考える時間が取れます。
しっかり時間をかけて、自分らしい働き方を見つけてもらえればいいと思います。
編集後記
昨日研修に行ったときにトヨタ自動車の名古屋オフィスがあるミッドランドスクエアの写真を撮ったのでトヨタ社長の記事を書いてみました。