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内定式の取りやめやリクナビ離れにより新卒採用は転換期を迎えている?

新卒採用において10月といえば内定式の時期ですが、内定式を取りやめる企業が増えています。

売り手市場で企業にとっては人材確保が難しい環境ですが、昔のような学生の囲い込みは減っているようです。

 

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そもそも内定式とは

内定式とは、選考で内々定を出していた学生に対し、企業が正式に内定を伝える式典です。

経団連の就活ルールでは、正式な内定日を10月1日以降にするよう求めているため、多くの企業が10月1日に合わせて内定式を開催してきました。

しかし、ここ数年は内定式を取りやめる企業が増えていて、10月1日が正式内定という流れが変わってきています。

 

先日、セミナーで知り合った方と新卒採用について話をしたら、その方の会社は「10月1日に内定者を海外に連れていく」という話をしていました。

昔から、10月1日は内定者の意思確認をする「踏み絵の日」であり、学生にとって内定式に参加することは、入社を決断した意思表示とされていました。

ですから、バブル時代の超売り手市場のときは、多くの企業が内定式を海外で行って、学生が他の企業の内定式に参加できないようにする「囲い込み」が行われていました。

 

久しぶりに「海外で内定式」という話を聞いて、企業にとってはバブル期並みに採用環境が厳しいというのを感じました。

しかし、一方で内定式を取りやめる企業も増えていて、ここ数年で企業間の採用活動に対するスタンスの違いがでてきています。

このように企業ごとに独自の活動を始めて、横並びの採用活動が減ってくるのは、いい流れだと思います。

今年で経団連の就活ルールが廃止されるため、より自由な採用活動が増えることを期待します。

 

リクナビ離れが進む?

採用活動の話題でいえば、リクナビが登録学生の内定辞退率を企業に情報提供していたという、個人情報漏洩が問題になっています。

この問題が発覚してから、大学や学生のリクナビ離れが進んでいて、大学によっては就職ガイダンスで学生に対してリクナビを紹介するのをやめたそうです。

 

企業側においても、今回の問題が起きる前から、大手就職サイトだけに頼った採用活動から変化を求める動きがあり、この問題でその流れが一気に加速しそうです。

これだけ採用環境が厳しくなると、ひとつの手法だけでは求める人材の確保が難しくなるため、ここ数年は採用活動が多様化しています。

 

しかし、採用活動の多様化に取り組めるのは、採用コストやマンパワーに余裕がある大手企業に限られます。

中小企業は採用に投資できるコストやマンパワーが限られるため、従来の就職サイトを中心にした活動は変わらないでしょう。

ただし、いままでと同じでは人材確保の厳しさは変わらないので、学生が働いてみたいと思えるような社内環境の整備は必要です。

 

新卒採用の転換期

今年で経団連の就活ルールが廃止され、新卒採用は転換期を迎えています。

すでに大手企業では、2021年卒の学生を対象にインターンシップや通年採用が始まっており、独自の採用活動をする企業が徐々に増えています。

今後も、大手企業を中心にオリジナリティのある新たな新卒採用の取り組みが増えていくでしょう。

 

就活ルールが廃止されると、中小企業はいま以上に人材確保が難しくなると言われています。

すでに数年前から、大手企業と中小企業の間では採用の2極化が始まっていて、今後は一段と人材確保の差が広がりそうです。

ですから、中小企業がこの厳しい採用環境で人材を確保するには、「働いてみたい」と思ってもらえる環境を整備するしかありません。

 

若い人材が働きやすい環境を整えるには、中小企業こそ積極的に「副業(複業)制度」を取り入れ、柔軟な働き方を支援する取り組みが必要だと考えています。

若い人材が早くから副業(複業)に取り組めれば、キャリア形成の可能性が広がり、早期にビジネスパーソンとしての価値を高められます。

さらに、社外とのネットワークの構築により、人脈や視野の広がりにつながり、それが本業にも活かされるという効果が見込めます。

 

このように若手が働きやすい環境を提供すれば、学生も「働いてみたい」と思ってくれるのではないでしょうか。

この人材難の環境で中小企業が生き残っていくには、「働き方の改革」を最優先で進めて、「働いてみたい」と思えるような企業に変わることだと思います。

 

編集後記

昨日は、税務システムの研修を受けてきました。システムがアップデートされて画面構成が変更になったので、主に変更箇所を中心に操作を確認しました。便利な機能も紹介してもらえ有意義な研修でした。

 

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