3月1日に新卒大学生の就職活動が解禁となり、就職サイトでの情報公開が始まりました。
売り手市場が続く中で、中小企業はどのように新卒採用に取り組むべきかを考えてみました。
15,000社の中に埋もれないためにやるべきことは
2020年入社の新卒採用向けに就職サイトがオープンし、就職活動が本格的にスタートしました。
経団連の指針に従って情報公開の時期は3月1日となっています。
しかし、実際はもっと早くから就職活動は始まっていて、すでに2~3割くらいの学生は内定をもらっていると思います。
売り手市場の環境下では、大手企業でも採用したい人材を確保するのが難しい状況です。
ですから、すこしでも他社より早く学生と接触しようと、インターンシップに力を入れる企業が年々増えています。
そして、インターンシップを活用した、大手企業の青田刈りが激しくなっています。
こんな採用環境の中で、学生間において知名度が低い中小企業が、新卒採用で成果をだすのは本当に難しいことです。
就職サイトの最大手であるリクナビのオープン時の情報掲載は約30,000社で、そのうち従業員数が100人未満の中小企業は15,514社(3月6日時点)ありました。
大手企業みたいにインターンシップに力を入れる予算もマンパワーもない中小企業は、まずはこの約15,000社の中から学生に見つけてもらう努力が必要です。
この約15,000社の中に埋もれてしまっては、採用活動で成果を出すのは難しくなります。
副業を許可している中小企業はまだまだ少ない
リクナビを利用して、わたしが住んでいる愛知県の中小企業を検索したところ、「愛知県、従業員数100人未満」の条件に該当するのが約30,000社のうち1,332社ありました。
この条件に、希望する業種や職種を追加すれば、それなりに企業を絞りこむことができますが、それでも何十社という企業が該当します。
そこで、最近働き方で注目されている「副業」という条件を追加して、「愛知県、従業員数100人未満、副業」で検索したところ該当したのは5社だけでした。
地域を指定せずに「従業員数100人未満、副業」で検索してもわずかに42社しかありません。
いまなら就活生に検索してもらうキーワードとして「副業」はおすすめです。
実際、働き方として「副業」は注目されていますが、副業制度を導入している企業はまだまだ少ないのが現状です。
しかし、働く側の副業に対する意識は変わってきており、今後は副業を解禁する企業は確実に増えていきます。
まわりに流されて遅れて制度を導入するのでなく、早くから前向きに副業を導入するだけで求職者に選ばれるチャンスは増えます。
経営者の意思決定ひとつで変われるメリットを活かすべき
中小企業は、経営者の意思決定ひとつで新たなことに取り組めます。
そして、そのスピード感が中小企業の強みであり、大手企業にはマネできないことです。
わたしは、中小企業こそ積極的に「副業」を導入すべきだと思っています。
副業制度には、社員のスキルアップや社外ネットワークの広がりといったメリットがあり、採用活動においても多様な人材の確保が可能になります。
また、副業制度を導入している企業の多くは、社外の副業者やフリーランスを事業に積極的に活用しているそうです。
最初は制度導入を躊躇していても、いざ導入してみたらメリットの方が大きかったということでしょう。
中小企業の採用環境は、少子化や景気回復の影響でいま以上に厳しくなることは明らかで、いずれは自社の社員だけで事業をまわしていくのは難しくなります。
まずは社内に副業制度を導入し、早めに制度の運用に慣れることにより、副業者やフリーランスとの協業がスムーズに進められると思います。
編集後記
今週でなんとか確定申告が片付きそうです。終わりが見えてくると本当にホッとします。