留学生をアルバイトで雇用。どんな手続きが必要になるかを調べてみた。

留学生をアルバイトで雇用。どんな手続きが必要になるかを調べてみた。

顧問先から留学生をアルバイトで雇用したいという相談を受けたので、手続きについて調べてみました。

 

留学生のアルバイト雇用

コンビニや飲食店などで、留学生のアルバイトを見かける機会が増えました。

特に、都心部のコンビニでは、留学生のアルバイトが急増しており、店舗運営に欠かせない労働力となっています。

深刻な人材不足に悩まされている業界では、留学生のアルバイトを積極的に雇用するところが増えています。

それでは、留学生をアルバイトとして雇用する場合には、どのような手続きが必要になるのでしょうか?

 

アルバイトの募集

留学生をアルバイトとして募集するには、次のような方法があります。

・大学・専門学校・日本語学校のキャリアセンター
・外国人雇用サービスセンター(外国人向けハローワーク:東京、大阪、名古屋、福岡)
・留学生向けの求人サイト
・SNSの活用(外国人コミュニティへ告知)

 

はじめて留学生を採用する場合は、教育機関のキャリアセンターを利用するのがいいでしょう。

求人情報について相談ができ、かつ教育機関の求人で応募してくる留学生は、まじめに通学してしている可能性が高いというメリットがあります。

 

また、留学生は留学生同士のネットワークが構築されているため、採用実績ができると紹介によって採用がしやすくなります。

まずは、採用実績をつくってから、SNSなどを活用した採用活動を取り入れるといいでしょう。

 

採用時の確認書類

留学生がアルバイトをする場合は、学生としての「在留資格」のほかに、就労に必要な「資格外活動許可」が必要になります。

①在留資格

日本の大学・専門学校などに留学中の外国人には、在留資格が与えられます。

在留資格

在留資格で確認すべきポイントは、資格の種類が「留学」になっているかと、在留期限が切れていないかの2点です。

 

②資格外活動許可

留学生が収入を伴う活動を行うときは、あらかじめ入国管理局から資格外活動の許可を受ける必要があります。

在留資格

資格外活動許可を取得すると、在留カードの裏面に就労可能時間と、禁止職業が記載されます。

資格外活動許可のない留学生を就労させると、不法就労助長罪として3年以下の懲役または300万円の罰金が科せられます。

 

就労の時間制限

留学生がアルバイトとして就労できる時間には、次のような制限があります。

・就労可能時間は、週28時間以内
・教育機関が長期休業中は、1日8時間以内

他社での就労時間も含めての制限時間となるため、雇用時には他社での就労の有無を確認しておく必要があります。

就労可能時間を超えて就労させると、不法就労助長罪として3年以下の懲役または300万円の罰金が科せられます。

 

ハローワークへの届出

留学生をアルバイトとして雇用した場合は、「外国人雇用状況の届出」をハローワークを通じて厚生労働大臣に届け出ることが義務付けられています。

退職した場合も同様に届出が必要になり、この届出書の提出期限は雇用又は退職した月の翌月末までになります。

また、雇用対策法により、届出を怠ったり、虚偽の届出を行った場合には、30万円以下の罰金が科せられます。

 

アルバイト収入の取扱い

留学生のアルバイト収入は、所得税法上、原則は所得税の課税対象となります。

所得税法上の取扱い

所得税法では、給与等に係る源泉所得税の取扱いは、その者が「居住者」に該当するか又は「非居住者」に該当するかによって、税務上の取扱いが異なります。

居住者とは、国内に住所を有し、又は現在まで引き続き1年以上居所を有する個人をいい、居住者以外の個人は非居住者となります。

留学生が居住者に該当する場合は、日本人のアルバイトと同じく「給与所得の源泉徴収税額表」に基づき源泉徴収を行い、非居住者に該当する場合は、国内源泉所得として20.42%で源泉徴収を行います。

 

租税条約の取扱い

留学生の出身国によっては、「租税条約」が適用される場合があります。

中国人留学生は、その生計、教育のために受け取る給付又は所得については、日中租税協定により免税とされます。

なお、所得税の免税対象となるのは大学生だけであって、専門学校や日本語学校は対象外です。

 

租税条約の規定に基づき免税措置を受けようとする場合は、給与等の支払者が「租税条約に関する届出」に在学証明書を添付して、所轄税務署長に提出しなければなりません。

原則として入国の日以後最初に給与の支払いを受ける日の前日までに提出する必要があります。

 

編集後記

顧問先から留学生のアルバイトについて質問を受けたあとに、税理士会でこのテーマに関する研修が行われたので、タイミングよく要点を整理することができました。

 

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