確定申告の時期になると「年金の源泉徴収票を失くした」という相談をときどき受けます。
令和元年分の確定申告から源泉徴収票の添付は不要になりましたが、確定申告書を作成するには必要な書類です。
ここでは、年金受給者が源泉徴収票の再交付を申請するときの手続きについて解説します。
源泉徴収票の再交付
年金受給者が確定申告をするには、公的年金等の源泉徴収票が必要になります。
源泉徴収票には、支払われた年金額、源泉徴収された所得税額、そして年金から差し引かれた社会保険料の金額が記載されているため、これらの情報が確認できないと、正しく確定申告をすることができません。
しかし、確定申告をするときに、源泉徴収票がどこかの書類に紛れ込んでしまって、見つからないことがあります。
どこを探しても源泉徴収が見つからないときは、日本年金機構に再交付の申請をすることになります。
源泉徴収票の再交付を申請するには、次の3つの方法があります。
- 「ねんきんネット」による再交付申請
- 電話での再交付申請
- 窓口での再交付申請
このあとに、3つの再交付申請について具体的な手続きを見ていきましょう。
「ねんきんネット」による再交付申請
日本年金機構の「ねんきんネット」を利用すると、パソコンで源泉徴収票の再交付の申請ができます。
ねんきんネットにログインして、トップページの「その他の便利機能を利用する」内にある「通知書の再交付申請」から申請の手続きをします。
ねんきんネットを利用すると、次の通知書の再交付を申請できます。
- 社会保険料(国民年金保険料)控除証明書
- 公的年金等の源泉徴収票
- 年金額改定通知書
- 年金振込通知書
- 支給額変更通知書
ねんきんネットによる源泉徴収票の再交付は、申請から発送まで1週間ほどかかります。
電話での再交付申請
「ねんきんダイヤル」又は最寄りの年金事務所へ電話をすることで、再交付の申請をすることができます。
電話で再交付を申請するときは、マイナンバー又は基礎年金番号の確認を求められるため、事前に手元に準備をしてから問い合わせをしましょう。
ねんきんダイヤルの場合は、申請から発送まで2週間程度かかるため、急ぎのときは最寄りの年金事務所に直接出向いた方がいいでしょう。
窓口での再交付申請
最寄りの年金事務所又は街角の年金相談センターの窓口で、再交付の申請手続きができます。
再交付の申請は、本人だけでなく代理人でも受付けてもらえます。
窓口で手続きをすると、その場で源泉徴収票を再交付してもらえますが、窓口によっては交付ができず、後日郵送となる場合があります。
再交付の申請には、次の書類が必要になります。
本人が申請をする場合
- 年金手帳、年金証書または改定通知書など、日本年金機構が送付した基礎年金番号がわかる書類
- 本人確認ができる書類
代理人が申請をする場合
- 本人の委任状(本人の署名・押印があるもの)
- 代理人の本人確認ができる書類
- 本人の印鑑(証明書等の(再)交付を受けるときなど)
- 本人の基礎年金番号やマイナンバー
年金事務所等の窓口では、次の通知書の再交付を申請できます。
- 源泉徴収票
- 準確定申告用源泉徴収票
- 改定通知書
- 振込通知書(直近のもののみ)
- 年金決定通知書・支給額変更通知書
- 給付証明書
- 返納金納付書
- 納付書
- 社会保険料(国民年金保険料)控除証明書
ちなみに、源泉徴収票の再交付申請は、過去8年分まで手続きをすることがきます。
たとえば、過去の医療費控除について確定申告をするときに、年金の源泉徴収票を紛失してしまったときは、再交付の申請手続きをすれば源泉徴収票を手に入れることができます。
年金受給者が、源泉徴収票を紛失したときの、再交付の申請手続きについてまとめてみました。
源泉徴収票の紛失に気付いたときは、早めに年金事務所で再交付の手続きをしましょう。
編集後記
昨日は、とある手続きで役所と郵便局と銀行へ。窓口での手続きはいろいろ時間がかかるものです。