先日、税理士用電子証明書に、マイナンバーカードの利用者識別番号を設定する流れを書きました。
これで、税理士用電子証明書を利用して代理送信ができると思っていたら、もうひとつ電子証明書の更新手続きが必要だったため、その流れについて書いておきます。
※この記事は、新たに税理士用電子証明書を利用する方向けの記事になります。
利用者識別番号と電子証明書
先日の記事で、税理士登録前にマイナンバーカードの利用者識別番号を取得していた場合において、税理士用電子証明書に利用者識別番号を設定する方法を書きました。
税理士用電子証明書の利用を開始するために、マイナンバーカードの利用者識別番号を設定してみました。 税理士用電子証明書「税理士用電子証明書」とは、税理士資格者だけに提供される電子証明書です。簡単に言うと、税理[…]
そして、管轄の税務署宛てに利用者識別番号の届出を送信してから、数日後に税務署から設定完了の通知書が届きました。
わたしは、これで設定が完了だと思い、税理士用電子証明書を利用してe-Taxのメッセージボックスを確認しようとしたら、「登録された電子証明書と一致しません」というメッセージが出てしまいました。
念のために、マイナンバーカードを利用してメッセージボックスを確認したところ、問題なくメッセージを確認できました。
税理士用電子証明書でメッセージボックスへログインできない理由を、ネットで調べてみても有益な情報が見つかりませんでした。
いろいろ試してみても問題が解決しないので、税務署に問い合わせたところ、「専門的なことはわからない」との回答で、e-Taxヘルプデスクへ問い合わせるよう案内されました。
そして、e-Taxヘルプデスクでいままでの経緯を説明したところ、利用者識別番号に登録できる電子証明書は一つだけで、いまの設定を税理士用電子証明書に更新する手続きが必要になるとの回答をもらえました。
ここで、わたしの認識が間違っていたのに気づくことができ、更新方法がわかってほっとしました。
利用者識別番号は一人に一つだけというのは知っていたのですが、その利用者識別番号に紐づけることができる電子証明書も一つだけということを知りませんでした。
なぜなら、メッセージボックスを確認する際に、ICカードの種類が選択できるため、選択するカードによって電子証明書を選べるものだと思っていました。
とりあえず、税理士用電子証明書の設定がすべて完了していないことが理解できたので、あとは説明を受けた手順に従って、電子証明書の設定を進めました。
電子証明書の更新
税理士用電子証明書に利用者識別番号を設定しただけでは、電子証明書の内容はマイナンバーカードの情報のままです。
ですから、利用者識別番号に紐づける電子証明書を、税理士用電子証明書に更新する手続きが必要になります。
電子証明書の更新は、e-Taxのトップメニューの「e-Taxソフト(WEB版)」から進みます。
利用者識別番号と暗証番号を入力して、e-Taxソフトにログインします。
ログイン後のメニューで、「利用者情報の登録・確認・変更」へ進みます。
画面の指示に従って進むと、電子証明書の確認画面が出てきます。
登録済みのものは、マイナンバーカードの電子証明書なので、これを税理士用電子証明書に更新するために「登録・更新」に進みます。
媒体は、「カードタイプの電子証明書」を選択します。
認証用サービスは、「日税連 税理士用電子証明書(第四世代)」を選択します。
更新内容を確認して「登録・更新」を押せば、作業は完了です。
この更新作業後に、メッセージボックスのログインを試したところ、税理士用電子証明書が無事に認証されメッセージを確認することができました。
これで、税理士カードの設定がすべて完了して、代理送信ができる環境が整いました。
たとえば、税理士カードを紛失してしまって、急ぎで代理送信をしたいときは、上記の設定でマイナンバーカードの電子証明書を紐づければ送信が可能になります。
このあたりの初期設定については、税理士登録の研修会で、もう少し詳しく説明をしてほしかったです。
今後、マイナンバーカードの普及が進むと、税理士登録以前にマイナンバーカードで利用者識別番号を取得する方が増えると思われるため、わたしと同じようなケースに該当する方の参考になればと記事を書きました。
編集後記
今週は、ずっと電子申告関係の業務をしています。初めて利用するサービスもあるため、調べながら作業をしているとあっという間に一日が過ぎてしまいます。ある程度操作に慣れるまでは、時間がかかるのは仕方がないことです。