確定申告で医療費控除を受けるときは、「医療費控除の明細書」を添付しなければなりません。
医療費控除の明細書については、確定申告等作成コーナーから直接入力するなど作成方法はいくつかあります。
ここでは、確定申告等作成コーナーで提供されている「医療費集計フォーム」を利用した、医療費控除の明細書の作成について解説します。
医療費控除の明細書
医療費控除とは、1月1日から12月31日までの間に、自分や家族のために支払った医療費が一定額を超えるときに、所得から控除できるという制度です。
そして、医療費控除を受けるためには、「医療費控除の明細書」を作成して、確定申告書に添付して提出しなければなりません。
医療費控除の明細書については、確定申告等作成コーナーから入力する方法などもありますが、ここでは「医療費集計フォーム」を利用した作成方法について解説します。
間違いやすい医療費控除については、こちらで詳しく書いています。
確定申告のテレフォンセンターで、税務相談の担当をしています。毎日多くの問い合わせがありますが、その中でも多いのが「医療費控除」に関する相談です。ここでは、医療費控除の間違いやすいポイントについて解説します。 医療費[…]
医療費集計フォーム
それでは、「医療費集計フォーム」を利用した医療費控除の明細書の作成について、手順を見ていきましょう。
医療費集計フォームのダウンロード
まずは、医療費集計フォームをダウンロードするところから始めます。
確定申告等作成コーナーのトップページから、「医療費集計フォーム」に進みます。
「医療費集計フォームダウンロード」をクリックすると、Excelファイルをダウンロードできます。
次のような医療費の集計用フォームがダウンロードされます。
医療費集計フォームの入力
医療費集計フォームのダウンロードが完了したら、フォームの項目にしたがって、医療費の領収書を入力していきます。
①医療を受けた人と病院・薬局などの名称の入力
領収書の入力は、1件ずつでも、病院・薬局ごとに集計してでも、どちらでも構いません。
医療機関までの移動に公共交通機関を利用したときは、病院・薬局などの名称のところに「JRや〇〇バス」などと入力します。
②医療費の区分の入力
医療費の区分については、4つの区分のうち該当するもの(複数選択可)を選びます。
病院で院内処方として薬を受け取ったときは、「診療・治療」と「医薬品購入」の両方を選ぶことになります。
公共交通機関を利用した交通費については、「その他の医療費」へ該当すると入力します。
③支払った医療費と補填された金額の入力
支払った医療費の金額と、その医療費について補填された金額を入力します。
補填された金額とは、生命保険契約などで支給される入院費給付金や、健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金などになります。
なお、支払った医療費の金額より補填された金額の方が多いときは、支払った金額と同じ金額を入力します。
また、支払年月日については入力が任意となっていため、入力をする必要はありません。
医療費集計フォームのアップロード
「確定申告等作成コーナー」でExcelファイルをアップロードして、医療費控除の明細書を作成する手順を見ていきましょう。
給与や公的年金などの所得金額の入力を終えると、所得控除を入力する画面に進みます。
ここで、医療費控除を選択して「入力する」をクリックします。
適用する医療費控除を選択する画面になったら、「医療費控除を適用する」を選びます。
入力方法の選択では、「医療費集計フォームを読み込んで明細書を作成する」を選択し、領収書を入力した医療費集計フォームのExcelファイルを読み込みます。
医療費集計フォームの読み込み結果が表示されるので、件数などの情報に間違いがないかを確認します。
次に進むと、読み込んだ明細が一覧で表示され、訂正や削除をすることができます。
ここでは、医療費集計フォームに入力を忘れた明細書を追加することもできます。
医療費控除の計算結果として、控除額の確認をすることができます。
医療費控除の明細の確認が完了すると、最終的に医療費控除の欄に控除額が表示されます。
すべての入力が完了すると、提出用の医療費控除の明細書ができあがります。
「医療費集計フォーム」を利用した、医療費控除の明細書の作成手順について見てきました。
医療費集計フォームに領収書の内容を入力すれば、あとは簡単に医療費控除の明細書ができあがるので、ぜひ医療費集計フォームを活用して確定申告書の作成に取り組んでみてください。
それから、医療費控除の明細書を提出すれば、領収書の添付が不要になりましたが、5年間は領収書を保存しておく義務があります。
税務署から領収書の提示を求められたときに応じられるよう、必ず保存をしておきましょう。
編集後記
週末は、確定申告の業務を。仕事を溜めるのがイヤなので、処理できるものから片付けています。