2019年10月からの消費税増税に合わせて軽減税率制度が実施されます。
軽減税率制度への対応が必要となる事業者には、iPadレジの導入などに「軽減税率対策補助金」が支給されます。
軽減税率対策補助金とはどんなもの
軽減税率対策補助金とは、軽減税率制度への対応が必要となる事業者が、複数税率対応レジの導入や受発注システムの改修などを行うにあたって、国がその経費の一部を補助する制度です。
軽減税率対策補助金の申請には、次のA~C型の3種類があります
A型 複数税率対応レジや券売機の導入等支援
対象者 軽減税率の対象商品の販売を行っている中小の小売事業者等
補助率 原則3/4(なお、3万円未満のレジを1台のみ購入の場合4/5)
補助上限 レジ1台あたり20万円、券売機1台あたり20万円
1事業者あたり上限200万円
完了期限 2019年9月30日まで
B型 電子的受発注システムの改修等支援
対象者 軽減税率制度の導入に伴い電子的に受発注を行うシステムの改修等を行う
必要がある中小の小売事業者、卸売事業者等
補助率 原則3/4
補助上限 1,000万円(発注システム)、150万円(受注システム)
完了期限 2019年9月30日まで
(※システム会社に改修を依頼する場合は2019年6月28日までに事前申請が必要)
C型 請求書管理システムの改修等支援
対象者 軽減税率制度の導入に伴い請求書管理システムの改修等を行う必要がある
中小の卸売事業者、製造事業者等
補助率 原則3/4
補助上限 150万円
完了期限 2019年9月30日まで
補助金の申請期限は、2019年12月16日までとなっています。
しかし、2019年9月30日までに導入又は改修を終え、支払いまで完了していないと補助金申請は受付けしてもらえません。
(※B型の一部は2019年6月28日までに交付申請書の提出が必要)
補助金でiPadレジを導入するには
iPadレジの導入対象となるのは、主にテイクアウトや出前での飲食料品の提供や、酒類を除く飲料食品の販売を行っている事業者です。
レジの補助金申請はA型になりますが、A型にも次の4種類があります。
①A-1型 レジ・導入型
複数税率対応の機能を有するPOS機能のないレジを導入する費用。
②A-2型 レジ・改修型
複数税率非対応レジを対応レジに改修する費用。
③A-3型 モバイルPOSレジシステム
複数税率に対応した継続的なレジ機能サービスをタブレット等を用いて利用し、
レシートプリンタを含む付属機器を組み合わせてレジとして新たに導入する費用。
④A-4型 POSレジシステム
POSレジシステムを複数税率に対応するように改修または導入する費用
申請タイプ
iPadレジは、モバイルPOSレジシステムに該当するため「A-3型」で補助金申請をします。
また、タブレット単体では補助金申請はできず、レシートプリンターの購入・導入は必須です。
(引用元:中小企業庁「軽減税率対策補助金HP よくあるご質問」より)
申請対象
モバイルPOSレジシステムとして補助金の対象となるのは、次のものになります。
中古品は補助金の対象外となるので注意してください。
補助率
補助率は、iPad等の汎用端末は1/2で、それ以外のレジ付属機器等は原則3/4です。
たとえば、iPadとレシートプリンター内蔵キャッシュドロアを購入した場合
・iPad(第6世代/32GB/Wi-Fiモデル) 37,800円 ⇒ 18,900円(補助金適用)
・キャッシュドロア(レシートプリンター内蔵) 54,800円 ⇒ 13,700円(補助金適用)
※価格は税抜額
申請手続き
補助金申請は、モバイルPOSレジシステムの対象商品を購入し、支払いを完了させてから手続きを行います。
申請方法は、メーカーによる代理申請と個人による申請がありますが、手続きが煩雑なためメーカーによる代理申請をおすすめします。
申請においては、補助金対象事業者に該当するかが重要なポイントになりますので、テイクアウトや出前を証明できるメニュー表やチラシなどをすべて提出しましょう。
メニュー表やチラシがないときは、岡持ちや宅配用バイクの写真を提出するといいでしょう。
iPadレジは、クラウド会計ソフトとの相性がよく、日々の売上データが自動連動するなど経理の時間短縮にもつながります。
軽減税率対策補助金を活用して、レジ導入だけでなく経理業務の効率化も目指してみませんか。
編集後記
うちの事務所は3月決算が多いため5月が1年の中で一番忙しくなります。今月を乗り切れば7月の開業の準備に取り掛かれそうなので、休み明けから全開モードで働いています。