小規模企業共済制度の特例措置

新型コロナウイルス感染症にかかる小規模企業共済制度の特例措置

中小企業基盤整備機構から新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主を支援するために、小規模企業共済制度の特例措置が発表されています。

具体的には、特例緊急経営安定貸付けとして無担保、無利息で事業資金を借りられる制度などが実施されています。

ここでは、小規模企業共済制度の特例措置について解説します。

 

スポンサーリンク

小規模企業共済制度

小規模企業共済制度とは、小規模企業の経営者や役員、個人事業主などのための積み立てによる退職金制度です。

年間に支払った掛金の全額が、所得控除の対象となるなどのメリットがあるため、多くの小規模企業の経営者や個人事業主が加入しています。

 

関連記事

小規模企業の経営者や個人事業主の退職金の積み立てとして、「小規模企業共済」という制度があります。フリーランスや個人事業主の方には、小規模企業共済への加入資格が得られたら、少額からでも加入することをおすすめしています。ここでは[…]

小規模企業共済

 

この小規模企業共済制度について、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主を支援するために、次のような特例措置が実施されています。

  1. 特例緊急経営安定貸付けの実施
  2. 契約者貸付けの延滞利子の免除
  3. 掛金の納付期限の延長等
  4. 分割共済金受給者の一括支給(繰上支給)対応

 

1.特例緊急経営安定貸付け

◆対象者

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、最近1か月間の売上高が前年又は前々年同期と比較して5%以上減少している共済契約者。

 

◆借入可能額

貸付限度額の範囲内(掛金納付月数により掛金の7~9割)で、上限2,000万円まで利用可能。

 

◆借入期間

借入金額が500万円以下:4年
借入金額が505万円以上:6年

 

◆返済方法

①借入期間が4年間の場合
1年間の元金据置後、6か月毎に3年間(計6回)で元金返済

②借入期間が6年間の場合
1年間の元金据置後、6か月毎に5年間(計10回)で元金返済

 

◆利息

無利息

 

◆利用可能期間

2020年10月7日貸付分まで(状況によっては、延長を検討)

 

◆問い合わせ先

中小企業基盤整備機構 共済相談室
050-5541-7171

 

2.契約者貸付けの延滞利子の免除

◆対象者

2020年4月7日時点で契約者貸付けの残高があり、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて業況が悪化したことにより、1か月の売上高が前年又は前々年度の同期と比較して5%以上減少した共済契約者。

 

◆延滞利子

延滞利子を1年間免除。(約定返済日が2020年3月1日以降の借入れが対象)

 

3.掛金の納付期限の延長等

◆対象者

新型コロナウイルス感染症の影響を受けて業況が悪化したことにより、1か月の売上高が前年又は前々年度の同期と比較して5%以上減少した共済契約者。

 

◆掛金の納付期限の延長又は掛金月額の減額

(1)掛金の納付期限の延長
2020年11月までの掛金の請求を延長。

※期間内の⽀払いが免除されるのではなく、2020年12月からは2か月分ずつの掛⾦を納付。
延⻑期間終了後の掛金請求月額は倍額となり、負担が大変大きくなるため注意が必要。

(2)掛金月額の減額
掛金月額を、1,000円から70,000円までの範囲内(500円単位)で自由に選択。

 

スポンサーリンク

4.分割共済金受給者の一括支給(繰上支給)対応

◆対象者

新型コロナウイルス感染症の影響を受けて業況が悪化したことにより、1か月の売上高が前年又は前々年度の同期と比較して5%以上減少した、分割共済金の受給者。

 

◆繰上支給

分割共済金の一括支給に対応。

 

小規模企業共済制度の特例措置についてまとめてみました。

共済契約者にとっては、無担保、無利息で事業資金が借りられる「特例緊急経営安定貸付け」は、メリットがある制度です。

日本政策金融公庫や民間金融機関からの融資以外に、資金繰り対策としてこの特例措置を検討してみてはいかがでしょうか。

 

編集後記

昨日は、顧問先の月次処理を中心に。月初に持続化給付金の申請をした顧問先のところに、やっと入金がありました。同じ時期に申請しても入金時期に1週間以上の差が生じています。

 

スポンサーリンク