会社の設立を決めたので、会社形態について「株式会社」と「合同会社」の違いを調べてみました。
会社の形態について
会社を設立するには、株式会社・合同会社・合資会社・合名会社の4つの形態から選ぶことになります。
株式会社は誰でも知っている、最も一般的な会社形態です。
合同会社は、有限会社の廃止に伴い代わりにできた会社形態で、アメリカのLLC(Limited Liability Company)をモデルにしたものです。
最近では、グーグルとアマゾンが合同会社へ会社形態を変更したりと、合同会社を利用する企業は増えつつあります。
合名会社と合資会社は設立の需要がないので、会社形態としては株式会社か合同会社から選ぶことになります。
株式会社と合同会社の違い
それでは、株式会社と合同会社の違いを見ていきましょう。
費用・税金の違い
①設立費
株式会社の場合は、登録免許税の15万円と定款認証手数料の5万円で最低20万円かかりますが、合同会社の場合は、登録免許税が6万円で定款認証手数料が不要なため最低6万円で設立できます。
合同会社のほうが株式会社より14万円ほど設立費用が少なくすみます。
②維持費
株式会社は役員の任期があるため、任期が満了となるたびに登記費用(1万円)が発生しますが、合同会社は役員の任期を設ける必要がありません。
③税金
株式会社と合同会社は同じ法人格なので適用される税制は同じです。どちらが税制的に得というのはありません。
信用度の違い
合同会社は社会的にまだ認知度が低いため、信用面では株式会社にくらべて劣ります。
取引先に対してだけでなく、金融機関から融資を受ける際にも信用力の差が影響します。
社会的信用度を求めるなら株式会社になります。
運用面の違い
①経営形態
株式会社の場合は、出資者(株主)と事業を行う経営者(社長や取締役)が別々になり、経営の代表者を「代表取締役」と呼びます。
そして、合同会社の場合は、出資者と経営者が同一であり、代表者を「代表社員」と呼びます。
もう一つの違いとして、合同会社では上場することができません。
②利益分配
株式会社は出資割合に応じて利益が配当されるのに対して、合同会社は出資割合に関係なく定款の定めによって利益の配当を自由に決められます。
③役員任期
株式会社は取締役に任期があり任期満了のたびに役員変更の登記が必要です。それに対して、合同会社は役員の任期が無制限です。
④決算公告
株式会社は決算の内容を官報などで公表する義務がありますが、合同会社には決算公告義務がなく公表のための費用もかかりません。
株式会社と合同会社のどちらがいい
株式会社と合同会社ではどちらを選択した方がいいのでしょうか?
株式会社を選択した方がいい場合
・法人向けの事業(BtoB)で対外的な信用が必要である
・将来上場をする予定である
・積極的に人材を採用したい
・代表取締役という肩書きがほしい
合同会社を選択した方がいい場合
・とにかく安く会社を設立したい
・一般消費者向けの事業(BtoC)で法人格の知名度は必要ない
・人材を採用する予定がいない
・会社運用に手間を掛けたくない
合同会社はスタートアップ企業向けというイメージが強かったのが、大手企業が株式会社から合同会社へ変更する動きが増えて、合同会社に対するイメージが変わりつつあります。
合同会社に対する認知度が一段と高まれば、設立・運用コストが安く、運用の手間が掛かりにくい合同会社を選択するケースが増えそうです。
編集後記
3月決算の申告業務のゴールが見えてきました。来週がんばれば余裕をもって月末が迎えられそうです。