毎年11月頃になると、会社から年末調整に関する用紙が配られると思います。
年末調整の用紙を提出するときは、扶養親族の状況をしっかり確認しようというお話です。
特に、子供のアルバイト代については、確認漏れが多いので注意が必要です。
子供のアルバイト代は確認漏れが多い
年末調整の書類に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」という、扶養している配偶者や親族について申告する用紙があります。
この申告書を提出することにより、毎月の給与から徴収される所得税について控除を受けることができます。
これは人的控除と呼ばれるもので、控除の対象となる扶養家族が多ければ、そのぶん控除される金額が大きくなります。
年末調整では、この申告書に記載した扶養家族の情報をもとに所得税の計算がされるため、正しく申告する必要があります。
しかし、配偶者については年収を把握していても、子供の年収を知らずに扶養家族として申告する間違いがよくあります。
子供が大学に入学した年は、年収が103万を超えなくても、2年目以降は1年間フルにアルバイトをして、思っていたより収入があったりします。
また、県外の学校に通っていて同居しておらず、アルバイトをしていることすら知らなかったため、状況の確認をせずに扶養家族として申告することもあります。
アルバイト先によっては、年収が103万円を超えて働くと、親にどのような影響があるかを説明してくれますが、このようなアルバイト先は、本当に少ないものです。
ですから、子供のアルバイト代については、年末調整の前に年収見込みを忘れずに確認しておきましょう。
税額に影響が大きい特定扶養親族
年末調整が終わったあとに、扶養親族について誤りが見つかると、確定申告をして税額の修正をすることになります。
特に、子供を「特定扶養親族」として申告していたときは、63万円分の控除額がなくなるため、税額の負担が大きく増えます。
具体的には、所得税と住民税でそれぞれ次のような金額になります。
- 所得税:630,000円×10%=63,000円
- 住民税:450,000円×10%=45,000円
所得税の税率を10%で計算すると、所得税と住民税で合わせて108,000円も追加で負担することになります。
また、会社によっては子供に対して家族手当が支給されることもありますが、子供の年収が所得制限を超えて、この家族手当の支給がなくなることがあります。
子供のアルバイト代は、親の所得に大きく影響するため、事前にどの程度アルバイトをするのかを話し合っておくことが大切です。
間違えたままだと税務署から通知が
年末調整の時期になると、税務署から「扶養控除等の見直し」という書類が、会社宛てに届くことがあります。
これは、「従業員の年末調整に誤りがありそうなので、確認をして間違っていたら再計算してください」という通知です。
この通知の内容で多いのが、控除の対象とならない子供を「特定扶養親族」としている誤りです。
会社がこの書類を受け取ると、対象となる従業員に扶養親族に誤りがないかを確認して、もし誤りがあるときは年末調整のやり直しをします。
そして、納付すべき税額が発生した場合には、会社がその税額を立て替えて納付し、あとで従業員から徴収します。
このように年末調整で扶養親族を誤って申告すると、後ほど会社に迷惑を掛けることになり、なおかつ追加で所得税を徴収されることになります。
ですから、子供のアルバイト代を確認をして、扶養親族を正しく申告するように注意をしましょう。
扶養控除等の見直しについては、こちらの記事で詳しく書いています。
年末調整の時期になると、税務署から「扶養控除等の見直し」の通知が届くことがあります。「扶養控除等の見直し」の通知を受け取ったときの対応について書いてみます。 「扶養控除等の見直し」とは扶養控除等の見直しとは、過去の[…]
編集後記
週末は、自分の月次処理をしていました。あとは家族と買い物でお出かけを。