新型コロナウィルス感染症対策として、テレワークの導入を進める企業が増えています。
そこで、中小企業によるテレワーク等への設備投資を促進するため、中小企業経営強化税制の拡充が図られました。
ここでは、テレワーク等の設備投資に係る中小企業経営強化税制の拡充について解説します。
中小企業経営強化税制
中小企業経営強化税制とは、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき、一定の設備を取得や製作等した場合に、即時償却又は取得価額の10%の税額控除(資本金3,000万円超1億円以下の法人は7%)が選択適用できるものです。
そして、これまで生産性向上設備と収益力強化設備が対象となる設備でしたが、新たにデジタル化設備が対象に加わりました。
デジタル化設備
デジタル化設備とは、次のいずれかの投資計画を達成するために必要不可欠な、設備をいいます。
◆遠隔操作
- デジタル技術を用いて、遠隔操作をすること
- 次のいずれかを目的とすること
・事業を非対面で行うことができるようにすること
・事業に従事する者が、通常行っている業務を、通常出勤している場所以外の場所で行うことができるようにすること
◆可視化
- データの集約・分析を、デジタル技術を用いて行うこと
- 1のデータが、現在行っている事業や事業プロセスに関係するものであること
- 1により事業プロセスに関する最新の状況を把握し経営資源等の最適化を行うことができるようにすること
◆自動制御化
- デジタル技術を用いて、状況に応じて自動的に指令を行うことができるようにすること
- 1の指令が、現在行っている事業プロセスに関する経営資源等を最適化するためのものであること
適用期限
2021年3月31日までに、デジタル化設備を取得等して指定事業の用に供すること
税制措置
即時償却又は税額控除のいずれかを選択適用できます。
◆即時償却
設備を購入した年度に、設備費用の全額を経費として計上できます。
◆税額控除
取得価額の10%(資本金3,000万円超1億円以下の法人は7%)を、税額から控除できます。
テレワークの個別相談会や専門家派遣
中小企業がテレワークを導入するのに障壁となるのが、運営方法のノウハウや担当者などのマンパワーが足りないことです。
このような中小企業が抱える課題を解決するために、国や自治体が様々なテレワークの導入支援を行っています。
たとえば、愛知県や名古屋市では、中小企業へのテレワークの導入を支援するために、個別相談会や専門家派遣の無料サービスがあります。
【愛知県】中小企業テレワーク個別相談会
【名古屋市】ITを活用した働き方改革専門家派遣
また、厚生労働省から委託を受けた日本テレワーク協会が運営する「テレワーク総合ポータルサイト」でも、テレワークに関する様々な情報が提供されています。
中小企業にとっては、まだまだテレワークの導入はハードルが高いものです。
国や自治体が提供するサービスを利用して、まずは専門家に相談するところから始めてみてはどうでしょうか。
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テレワーク等の設備投資に係る中小企業経営強化税制の拡充についてまとめてみました。
国や自治体は、テレワークの普及を推進するために様々な支援事業を行っています。
新たな働き方としてテレワークの導入を検討している中小企業は、税制上の優遇措置などを上手く利用して導入を進めてみてください。
編集後記
昨日は、法人のお客様と打合せを。経理の効率化に向けてfreeeの運用方法のすり合わせができました。