青色申告決算書

青色申告決算書の経費科目は6個までなら自由に追加して大丈夫

フリーランスや個人事業主の方から、青色申告決算書について「経費の勘定科目は追加してもいいのでしょうか?」という質問を受けることがあります。

結論から言うと、経費の勘定科目は6個までなら自由に追加して大丈夫です。

しかし、何でもかんでも増やしていいわけではなく、明確な目的を持って追加するようにしましょう。

 

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経費の勘定科目は18個+6個

青色申告の適用を受けているフリーランスや個人事業主は、確定申告で青色申告決算書に1年間の取引の集計を記入します。

経費については、「租税公課」から「雑費」までの18個の勘定科目が印字されていて、それぞれの合計額を記入できるようになっています。

それでは、経費の欄に用意されている「6個の空欄」は、何に使えばいいのでしょうか?

青色申告決算書

 

経費勘定の6個の空欄は、自由に科目を追加してもいいことになっています。

しかし、何となく科目を追加するのではく、目的を持って活用することがポイントです。

 

事業の特性に合わせて追加する

事業内容によっては、青色申告決算書に印字されている勘定科目だけでは、上手く経費の管理ができないことがあります。

たとえば、ライティングの仕事であれば、執筆のために購入した書籍代や、記事を書くときの取材費などがあります。

このような経費をわかりやすく管理するときは、「新聞図書費」や「取材費」といった科目を使います

 

また、車での移動が多い事業であれば、車に関する経費だけをひと目でわかるようにしておきたいことがあります。

そんなときは、「車両費」という科目を追加して、ガソリン代、自動車保険料、自動車税、車検代などの車に関する経費をまとめると管理がしやすくなります。

 

経費の勘定科目は、「何となくこの科目でいいや」と処理するのではなく、あとから見返したときに分析がしやすいようにしておくことです。

そのためには、勘定科目のルールを定めて、それに従って毎回同じように処理を続けましょう。

せっかく時間をかけて経理をするなら、その結果を分析しやすいように管理することです。

 

また、同じように処理を続けることにより、年ごとの比較もしやすくなります。

科目ごとに前年との比較ができるようになれば、事業の振り返りに役立ちます。

このように最終的にどのように分析したいかを意識して、勘定科目を設定することです。

 

雑費を増やさず空欄を活用する

勘定科目の中には、「雑費」という何にでも使えそうな科目があります。

ですから、「わからないものは雑費でいいや」と経理をしたくなりますが、これだけはヤメておきましょう。

ときどき、雑費のところに大きな金額が記入された決算書を見かけますが、印象がいいものではありません。

こういった決算書を見ると、「経理を適当に処理しているのかな」と思ってしまいます。

税務署にも悪い印象を与えることになり、「自ら中身を調べてください」とアピールしているようなものです。

 

雑費は、できるだけ使わない方がいいですが、どうしても当てはまる科目がないときは使うしかありません。

でも、同じような内容のものが何回か発生したときは、新たな科目をつくってそちらに振り替えましょう。

そのために6個の空欄が用意されているので、このスペースを有効に活用することです。

雑費の中身は定期的にチェックをして、別の科目に振り替えるべきかを検討しましょう。

 

むやみやたらに増やさない

青色申告決算書の経費勘定には、6個の空欄がありますが、むやみやたらに科目を増やさないことです。

会計ソフトには、青色申告決算書に印字がある科目以外のものが、標準で設定されています。

そして、勘定科目のルールを意識せずに会計ソフトを使用していると、あっという間に経費の科目が増えてしまいます。

 

たとえば、会計ソフトには、標準設定で「事務用品費」という科目が設定されています。

文房具代は、「消耗品費」で処理すればいいのですが、何となく利用目的が似通っているからと事務用品費で処理している方がいます。

このように処理をしていくと、新たな科目が簡単に増えていってしまいます。

何らかの目的があって事務用品費で処理するならいいのですが、何となく使っているのであれば、科目を分ける必要はありません。

「消耗品費」という科目があるので、これに統一して処理をすれば大丈夫です。

 

使用する勘定科目が増えると、その分だけ経理でチェックする項目が増えます。

そして、作業が増えることにより経理にかかる時間が長くなってしまいます。

ですから、勘定科目を増やすときは、本当に必要な科目なのかを検討してから判断すべきです。

特に、経理を始めたばかりの方は、極力科目を増やさずに経理をすることを心がけましょう。

 

青色申告決算書の経費勘定について、空欄部分の利用のポイントを書いてみました。

何となく科目を追加するのではなく、目的を持って上手く活用するようにしましょう。

 

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編集後記

昨日は、スマホ契約の見直しなど、契約関係の手続きをいろいろと。

 

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