個人が開業して青色申告をするときは、税務署に「青色申告承認申請書」を提出します。
それでは、すでに不動産所得がある方が、新たに事業を開始したときは、青色申告の取り扱いはどのようになるのでしょうか?
ここでは、不動産所得がある方が開業した場合の青色申告の取り扱いについて解説します。
年の途中に開業した場合の青色申告
個人が事業を始めた際に、青色申告の承認を受けるときは「青色申告承認申請書」を税務署に提出することになります。
そして、青色申告承認申請は、原則としてその年の3月15日までに提出する必要があります。
ただし、その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合には、その事業を開始した日から2か月以内に青色申告承認申請書を提出すればよいことになっています。
それでは、すでに不動産の貸付による不動産所得がある方が、年の途中に新たに事業を開始したときは、青色申告の取り扱いはどのようになるのでしょうか?
この場合は、不動産所得が青色申告と白色申告によって取り扱いが異なるため、それぞれのケースについて確認していきましょう。
不動産所得が青色申告の場合
青色申告の承認は、事業所得、不動産所得又は山林所得がある場合に受けることができます。
そして、いったん青色申告の承認を受けた場合は、事業所得、不動産所得又は山林所得のすべてについて青色申告となります。
ですから、すでに不動産所得が青色申告である方が、新たに事業を開始したときは、何も手続きをすることなく事業所得も青色申告となります。
不動産所得と事業所得がある場合に、一方が白色申告で、もう一方が青色申告ということはありません。
それと、青色申告の承認を受けている方が、新たに事業を始めたときは、開業時から青色申告の要件を満たす一定水準の記帳が求められることを理解しておきましょう。
不動産所得が白色申告の場合
青色申告の申請で注意が必要なのが、すでに白色申告の不動産所得や山林所得がある場合です。
たとえば、以前から不動産の貸付を行い、その不動産所得を白色申告している方が、年の途中に新たな事業を開始した場合には、その事業を開始した日から2か月以内に青色申告承認申請書を提出すればよいのでしょうか?
実は、ここで言う「新たに事業を開始した場合」は、青色申告の承認申請ができる事業を行っていない人が開業した場合に限定され、すでに青色承認申請ができる不動産所得がある場合はこれに該当しないことになります。
したがって、青色申告の承認を受けるには、その事業を開始した日から2か月以内ではなく、その年の3月15日までに申請書を提出しなければなりません。
なお、新たな事業の開始と申請書の提出が3月15日までに終わっていれば、その年分から不動産所得と事業所得は青色申告となります。
不動産所得がある方が開業した場合の青色申告の取り扱いについて解説してみました。
新たに事業を始めた場合に、すでに白色申告の不動産所得や山林所得があるときは、青色申告承認申請書の提出期限に注意する必要があります。
もし、提出期限を間違えたときは、青色申告が1年間先送りとなり、開業初年度は白色申告となります。
編集後記
昨日は、新たなお客様の申告関係の業務を。あとは本棚の整理をしながら、不要になった本をメルカリにコツコツとアップしていました。