事業活動を円滑に進めるために、金融機関から借入をすることがあります。
そして、借入金は利息を加えて返済することになりますが、どのように経理処理をすればいいのでしょうか?
ここでは、借入金を返済したときの経理処理について解説します。
借入金の返済は利息部分のみが経費
金融機関から融資を受けると、契約に応じて毎月一定額を返済することになります。
この借入金返済の経理について、全額を経費にしている間違いをときどき見かけます。
借入金の返済では、元金と利息を合わせて支払いますが、経費になるのは利息部分だけです。
融資を受けた際は、金融機関から入金された金額を、売上ではなく借入金として負債科目で経理をしているはずです。
よって、借入金の返済における元金部分は、「借りていたお金を返すだけ」なので負債の借入金を減らす処理になります。
つまり、借りたものを返しただけなので、元金部分は経費にはならないということです。
このように、元金の返済は費用になりませんが、借入により生じた利息については「支払利息」として経理をします。
金融機関の返済予定表で内訳を確認
それでは、借入金に関する経理処理について仕訳を使って確認してみましょう。
まず、金融機関から100万円の融資を受けて、預金口座に入金されたときの仕訳です。
普通預金 1,000,000円 / 長期借入金 1,000,000円
次に、毎月の返済で、元金10,000円と利息100円を支払ったときの仕訳です。
元金部分は、借入をした際に負債として処理した借入金を減らすことになります。
長期借入金 10,000円 / 普通預金 10,100円
支払利息 100円
金融機関によっては、元金と利息を合算した金額が引き落とされることがあります。
この場合、引き落とされた金額を元金と利息に分けて経理をしなければなりません。
もし、元金と利息の分け方がわからないときは、金融機関から発行された返済予定表で確認ができます。
なお、支払利息については、消費税が非課税になりますので、処理を間違えないようにしましょう。
残高を確認する習慣を身に付ける
経理処理をしたあとは、必ず貸借対照表の残高を確認するようにしましょう。
もし、長期借入金の残高が減っていなければ、処理が間違っていることに気付くはずです。
できれば、長期借入金の残高と返済予定表が一致していることも確認しておくといいでしょう。
ここまで確認をしておけば、借入金返済の処理を間違えることはなくなります。
最近は、クラウド会計を利用する方が、借入金返済の全額を「支払利息」又は「借入金」で処理している間違いをよく見かけます。
ネットバンキングから連動された借入金返済の明細を、元金と利息に分けずに取引登録をすると、このような間違いが起きます。
経理処理が正しく行われているかをチェックするために、貸借対照表の残高について確認することを習慣にしましょう。
借入金を返済したときの経理処理について解説してみました。
借入金の返済で経費となるのは利息部分だけで、元金部分は経費にはなりません。
経理をしたあとは、借入金残高が返済予定表と一致しているか確認をするようにしましょう。
編集後記
昨日は、お客様との打合せの準備を中心に。あとは国税庁の年末調整ソフトをダウンロードして操作を確認したりしていました。