軽減税率制度に対応した価格表示。わかりやすさを意識して早めの対応を。

軽減税率制度に対応した価格表示。わかりやすさを意識して早めの対応を。

まもなく消費税が増税されますが、増税にあわせて商品の価格表示の変更が必要になります。

特に、軽減税率の対象商品を取り扱う飲食店等では、価格表示が複雑になるため、早めの対応が必要でしょう。

 

価格表示の原則

原則は「総額表示(税込表示)」

消費者に対して商品の販売などを行う場合は、その価格を「総額表示(税込表示)」することが義務付けられています。

すなわち、値札やチラシなどに、消費税額を含めた価格を表示することが原則となっています。

 

たとえば、次のような表示が「総額表示」に該当します。

・10,800円
・10,800円(税込)
・10,800円(税抜価格10,000円)
・10,800円(うち消費税額等800円)
・10,800円(税抜価格10,000円、消費税額等800円)
・10,000円(税込10,800円)
※支払総額である「10,800円」が必ず表示されていなければなりません。

 

総額表示では、消費者が価格の比較がしやすく、値札等を見れば支払総額が一目で分かります。

 

総額表示(税込表示)の具体例

テイクアウトや出前などがある飲食店や、イートインスペースのある小売店においては、次の3つの総額表示による価格表示が考えられます。

【1】両方の税込価格を表示

「テイクアウト等」と「店内飲食」の利用が同じくらいの場合は、両方の税込価格を表示することによって、消費者は一目で価格が判断できます。

価格表示

 

【2】どちらか片方の税込価格を表示

「テイクアウト等」と「店内飲食」のどちらかの利用が多かったり、両方の価格を表示するスペースがない場合は、どちらから片方のみの税込価格を表示することが認められています。

価格表示

 

ただし、消費者に価格の誤認を与える恐れがあるため、片方のみの税込価格を表示する場合は、テイクアウト等(又は店内飲食)では価格が異なることを、消費者に注意喚起する表示をしましょう。

なお、「イートインコーナーを利用する場合はお申し出ください」などの掲示をして、営業の実態に応じた方法で意思確認を行うことも認められています。

 

【3】同一の税込価格を表示

「テイクアウト等」と「店内飲食」の税込価格が同じになるように、テイクアウト等の税抜価格を上げたり、店内飲食の税抜価格を下げたりして、税込価格を統一して表示することができます。

価格表示

 

しかし、税込価格が同一であっても、「すべて軽減税率が適用されます」「消費税は8%しかいただきません」などの表示は禁止されています。

また、テイクアウト等の価格を店内飲食に合わせて値上げする場合には、消費者から質問があった際に、合理的な説明をすることが必要になります。

 

価格表示の特例

特例として「外税表示(税抜表示)」

総額表示義務の特例として、2021年3月31日までの間は、「表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置」をしていれば「税抜価格」を表示してもよいとされています。

そして、誤認防止措置としては、消費者が商品等を選ぶときに、「表示価格が税込価格でない」ことが明らかにわかる方法で行う必要があります。

 

たとえば、次のような外税表示が誤認防止措置として推奨されています。

・10,000円(税抜き)
・10,000円(税抜価格)
・10,000円(税別)
・10,000円(税別価格)
・10,000円(本体)
・10,000円(本体価格)
・10,000円+税
・10,000円+消費税

 

外税表示では、「この金額以外に消費税がかかる」ことを明確にすることが求められます。

 

外税表示(税抜表示)の具体例

総額表示義務の特例として、誤認防止措置をしている場合に限り、外税表示が認められています。

①飲食店等(テイクアウト等と店内飲食の両方を行う事業者)

税抜価格とともに消費税額を表示する場合は、テイクアウト等と店内飲食で適用税率が異なるため、両方の消費税額を表示します。

もし、どちらか片方の消費税額を表示する場合は、テイクアウト等(又は店内飲食)では適用税率が異なることを、消費者に注意喚起する表示をしましょう。

価格表示

 

また、税抜価格のみを表示する場合は、テイクアウト等(又は店内飲食)では適用税率が異なることを、消費者に注意喚起する表示をしましょう。

価格表示

 

②小売店等(イートインスペースのある事業者)

税抜価格のみを表示する場合は、店内の目立つ場所にテイクアウト等と店内飲食では適用税率が異なることを掲示するなど、消費者に注意喚起する表示が必要です。

価格表示

 

外税表示は、2021年3月31日までの特例措置なので、価格表示の変更の際に総額表示に統一することをおすすめします。

 

軽減税率の対象商品の取扱いがある店舗では、消費者にわかりやすい価格を表示する工夫が必要になります。

選択できる価格表示がいくつかあるため、事前にしっかりと方向性を決めて、早めに変更への対応を進めた方がいいでしょう。

 

編集後記

昨日は、貸し会議室の見学に行きました、ネットの写真である程度のイメージはつかめますが、実際足を運んでみないと駅からのアクセスや部屋の印象はわからないものです。会場から受ける印象によってセミナーの感想も変わってくるので、できるだけこだわりたい部分です。

 

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